‘新物語’ カテゴリーのアーカイブ

【第2章】ヒトノノゾミ、ソウゾウスルカタチ③

2009 年 12 月 15 日 火曜日

椅子に針のむしろが標準装備されているのかと思うほど、彼女の横で授業を聞くのは苦痛だった。
ホームルーム後の掃除はいつもだるいし、トイレ掃除はさらに嫌だったのだが、この日ばかりははじめてトイレが楽園のように思えた。
そうは言っても、後で彼女たちと話をしなくてはいけないしな。。。
彼女ですら、この反応だから長女と三女は想像したくもない。
正直行きたくはないが、行かなくてはずっとこの状態を続くので意を決して、彼女たちが待つ教室に向かった。

そ~っと教室を覗くと、彼女たちは僕を待っていた。
おかっぱ三女が隠れて覗いている僕を見つけた。

「ストーカー発見です!隊長!!かわいい健気な女の子を放置してどっかに逃げちまったストーカーがこっちを覗いているであります!」
まるで軍人のように、長女に報告する三女。目線が一斉に僕を突き刺す。

「来たなら、早くこっちに来なさい。あんたが呼び出したんでしょ。いつまで待たせるつもり」
「ご、ごめんなさい」
「それは、どのことについて謝っているのかなぁ~?」
「もう、二人とも田安君をそれ以上いじめちゃだめでしょ。ごめんなさい。田安君トイレ掃除の当番だったものね。それよりもこっちもごめんなさい。今日は無視してしまうカタチになってしまって・・・土曜日にルイ君からメールがあって、田安君はちょっと怒っているから、今日は放課後まで田安君と話をしない方がいいって言われたから・・・怒ってます」

あの野郎!あの性格からして、俺が悩み苦しむことをわかってやりやがったな。そんな俺を想像してほくそ笑んでやがるんだろう。
そうはいっても彼女は悪くないし、彼女たちに悪いことをしたのは自分であることを自分に言い聞かせた。

「全然、怒ってないよ。さすがに驚いたけどね。それよりも先週は本当にごめんね。」
「怒ってないならよかった。心配してたんですよ。不躾なお願いだったし、いきなりいなくなるしで、絶対怒っていると思ってました」
「まぁ、お互い様ってことで、本題に入ろうか?」
「さくやねぇがいいなら、私はいいけどね~。もうちょっと遊べると思ったのにぃ~」

先週から、そうじゃないかと思っていたが、すでにおもちゃポジションになってる。。

【第2章】ヒトノノゾミ、ソウゾウスルカタチ②

2009 年 12 月 1 日 火曜日

月曜日というのはただでさえ、憂鬱であるのに、さらに先週の一見で考えてみたら彼女たちに何のケアもしていなかったことに土曜日の晩に気付いた。土曜日の晩に気付いたものだから、日曜日は月曜日に彼女たちにどんな感じで接するのがいいのかかなり悩んだ。さすがに、話を途中まで聞いて、そのまま放置だったからな。。彼女たちが無理難題を押し付けたのを差し引いても、女の子にすることではなかった。

そう思いつつも、日曜日に事業プランを作成するのに必要な知識、っというよりも、彼女たちに何をすればいいのかを教えるための準備をしていた。コンサルタントというよりもなんだか、家庭教師に近い気がする。

彼女たちに朝っぱらから攻撃されるのは、嫌だったので、1時限目が始まるギリギリに学校についた。それでも九段さんは隣に座っているので、余り状況が良いとは言えない。

「おはよう・・・・」
「・・・・・・・・・・」

う、返事が返ってこない。怒っているのか?かなり気まずい気分のまま午前中が終了した。何も話さないし、何も顔色に出さないのが余計怖かった。ランチタイムになり、意を決して声をかけた。

「いや~先週はごめんね。いきなりのことだったし、気が動転して・・・・それよりもさ、あの先週の話の件で話がしたいんだけど、放課後時間もらえないかな?」
「・・・・・・・・・はい。ではどこにします?」

ようやく、答えてくれたがかなり冷ややかだった。それでもなんとか放課後に教室で話をすることを取り付けることができた。

【第1章】予定は未定⑥

2009 年 9 月 7 日 月曜日

待っていたのは、彼女を含めた三人の女の子だった。

一人はやや赤みがかったポニーテール、うちの担任に似たややキツイ眼(姉妹なのか?)、僕と同じぐらいの女の子にしては高い背丈の姉御肌っぽい美少女だった。確かに背は高いが、それ以上に高く見えたのはもう一人の女の子が普通の高校生とは思えないほど小さかったからだった。その子は小学校の高学年ぐらいの背丈で(中学年ぐらいかもしれない)、肩に掛かるか掛からないかぐらいのオカッパっぽい髪形とあどけない顔がより小学生っぽく見えた。3人が並ぶと姉妹(長女:ポニーテール、次女:九段さん、三女:オカッパ)っぽく見える。

そんなことに気を取られていると長女がただでさえキツイ眼をさらにキツクして話しかけてきた。
「ちょっと、あんた!何つっ立てるの!あんたなんでここに呼び出されてるかわかってるの?」
「キクちゃん、そんなケンカ腰にならないで・・田安君にはまだ何も話してないんだから」
「サク姉ぇ、キク姉ぇはね。男子と話す時はいつもこんな感じだよぉ。でも、それがいい!!っていう男子も多いんだけどねぇw」
「まぁ、いいわ。これからあんたに頼みがあるの。一語一句逃さず、その耳で良く聞きなさい!いいわね!」

おいおい、頼みごとをする人間の態度じゃないだろっとツッコミたかったが、言ったらいったで大変なことになりそうな気がしたのでやめた。この時点で告白とか、なんか甘い感じのイベントが起きるとか淡い期待は捨てた。まぁ、ありえんはな。転校してきたヤツにその日に告白とかさ。まぁ、その転校してきたばかりのヤツに頼みごとをするのも十分ありえんのだが・・・

そうしていると、九段さんは緊張した面持ちでやや顔を紅潮させながら言葉を発した。

「あの、一緒に会社作ってもらえませんか?」